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2009年 11月 29日
FREE <無料>からお金を生み出す新戦略
商品を無料にする、というビジネスには胡散臭さがある。
そりゃそうで、だって、そのお金をどこで稼いでるんだ、とおもうから。

だが、無料=胡散臭いというわけではない。
なぜなら、特にデジタルでは商品を生産・配布するコストが劇的に低下したここと、それ以外で稼ぐ方法があるからだ、と本書は説明する。

本書を読んで思ったのは、フリーというビジネスが成立する背景にはいろいろな要素が絡んでいるということ。
以下、メモ。

別のところで稼ぐのは今でもあるモデル
お金が払われる、ということは今でも広く行われている。
喫茶店やバーでの飲み物代など。

配布コストが0に近づく
現物を配布するにはコストがかかるので、流通が大きなお金を動かしてきた現実があって、そこがいらなくなっていく、というのが大きい。

フリーミアム
フリーとミレニアムの合成語。
今までは、5%の無料版(ないしプレゼント)と95%の有料版(通常製品)で運営していたが、
95%の無料版利用者と5%の有料版利用者で運営する。

潤沢さ
今までは、商売は基本的に「希少さ」を前提に設計されてきたが、今は「潤沢さ」が前提になる。
という主張は、なるほど、と思わせる。
たとえば、グーグルのデータセンター。膨大なサーバ群を持つ巨大なデータセンターを運営するから、そのおかげでその費用が非常に安くなる。それが、多くのサービスを無料で展開できる力となる。

寡占
無料の世界では、一位が圧倒的になりやすい。
潤沢さの源泉はスケールメリットによるコスト削減にある。
フリーミアムを成立させるためには、分母が十分に大きく5%の層で十分稼げる必要がある。

95%のユーザの大部分は、それまでなら別の有料サービスの利用者だった、ともいえる。

プロシューマ
これは、アルビン・トフラーの「第三の波」で消費者=生産者という概念。
本書で言ってるわけではないし、トフラーの直接言及している内容と直接の方向は違うが、思ったこと。

本書のレコードアルバムでの無料配布の例をちょっと長いけれど、抜粋。

自慢のアルバムだったのに、レコード会社がマーケティングに金をかけられなかったのでさっぱり売れなかった。そこで、レコード会社を説得してアルバムを無料配信できるようにした。ただ、そこである仕掛けをしたんだ。アルバムをダウンロードするには氏名、電子メールアドレス、そして郵便番号を入力してもらうことにして、さらに、このアルバムに興味を持ちそうな5人の友人のメールアドレス(これは保存しない)も入力してもらった。そして、その友人たちにダウンロードをすすめるメールを出した。3ヶ月間で8万人以上に無料で提供した。それから郵便番号で電子メールの一覧をフィルタリングして、僕のファンがどこに住んでいるか調べ、ライブ情報を電子メールで送ったら、ライブハウスに来てもらえるようになった。今は、ライブチケットを売り、たくさんのグッズを打っているよ。そしてぼくは音楽で食べていけるようになったんだ。


この箇所を読んで、この人は無料版をダウンロードした人を「パートナー」として扱っている、と思った。
それは、ビジネスでの態度に近いと思う。
ビジネスに限らないけど、世の中は、ギブアンドテイクの世界。
それで、生産者が顧客に協力を仰ぎたいとき、まず何ができるだろうと考えると無料で配布という形は最もあり得る形と思われる。
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by taiji_nakao | 2009-11-29 16:13 | 考え事
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