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2010年 01月 30日
Viewerの進化と電子出版について考えてみる(1)
しないで済むならタイピングはいらない、という人が大半

とは、ずっと前から思っていた。
就職する前に、紙copyの制作者の洛西さんが、今のコンピュータは使いにくい、ということを語っているのを聞いた影響が大きく、以下の文章はほとんどその影響の延長にあるかもしれない。

「コンピュータは難しすぎて使えない」とか読んで、そうだそうだ、と思っていた。

今でこそ、タイピングはもちろん、コンピュータの管理設定、
例えば、Windowsの「コントロールパネル」を開いてもなんと思わない。

でも、ほんの4年前は、「Administrator」の意味さえ知らなかった。
LAN経由で別のパソコンのフォルダを開いているのを見て、驚いていた。
その設定とか、さっぱりわからなかった。

そういう「むずかしさ」がパソコンにはつきまとっている。
もちろん、ウェブアプリケーションを管理するというなら、コントロールパネルのようなものを避けて通れないだろうけれど、単にネットサーフィンしてメールするくらいならもっと簡単でいいはずで。

キーボードも、その延長で捉えてみて、ほんとに一般的なユーザに必要なんだろうかは疑問がある。
コンピュータの設計が、まだまだ、一部の研究開発機関や大手の情報管理部門でしか使われていなかった時代を引きずっていると思う。

現在ですら、開発者の中には、「正しい使い方をしないユーザが悪い」という考えを持った人がいるようだ。もちろん、そうではない。
「正しくない使い方ができてしまうアプリの方が問題」なのだ。

でも、エラーが起きたときにユーザが「私が変な使い方をしてしまったんでしょうか」とか言ったりする。
本来はそんなエラーを可能にしてしまった開発者に問題があるのだけれど、そういうやりとりが通用するほどに、「むずかしくて、気を付けて使わなきゃいけないもの」として、コンピュータが認識されている。

こんなに普及しているのに。

エラーが起きないことはもちろん、より直感的に使えるように、そう、アフォーダンスが重要だ。
「誰の為のデザイン」に、
「駅の構内にガラス戸があり、度々それが割られて駅員は困っていた。それで、素材をガラスでなくて合板に変えた。そうしたら、もう割られることはなくなって、かわりに落書きが書かれるようになった」
という例が紹介されている。
ガラス→ 割りたい 合板 → 落書きしたい
これは人間が自然に考えることで、行動を誘発している。それがアフォーダンス。

このアフォーダンスを活用して、エラーが不可能にすることはもちろん、設計者が意図している行動を誘発するようなインターフェースが必要で。

そういう考え方に、技術者になる前から、共感してきた。
就職後もその考えに基づいてアプリを見て批判していたから、前の会社では「クレーマーだ」みたいなことをいわれたこともあった。まあ、難癖をつけているように聞こえますけどね。

iPadは何がどうイノベーティブなのかについてご説明します
を読んで、iPadはそういう考えの延長にある、キーボードを無くした具体的な製品なんだという説明になるほどと思った。

私はiPadはおろかiPhoneもろくに使ったことがないので、その具体的な点については何ともいえないものの、画面を見る限りその可能性を感じさせる。
(スマートフォンはあと3ヶ月ほどの「しばり」がなくなったら買う予定です。)

ただし、実際に普及するとなると、機能面だけでなくて、マーケティングの要素で正否が変わってくるから、iPadが現在のコンピュータを置き換えていくかは不明ですが。

ところで、文字入力の効率性、という点でいえば、やっぱりキーボードはすぐれていると思う。
音声入力もあるけど、例えばプログラミングを音声入力するのは、非効率じゃないかな。

しかし、ネットサーフィンをするのと、それほど長くないメールを書く程度なら、タッチパネルでも十分だろうし、他にいい方法があるかもしれない。

最も効率的だからといって、その用途にそのやりかたが合うわけではない。

素早く膨大なメモを取る為には、速記法は有効だろう。
だけど、ほとんどの人は速記法を使えない。存在すら知らない人もいるだろう。
そういう必要性がないから。たぶん、キーボードも本来はそういう存在であるべきなんだろうと思う。

長くなったので、電子出版のこれからについては(2)で。
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by taiji_nakao | 2010-01-30 09:52 | ITのこと
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