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2005年 05月 03日
自主的な組織(Ⅱ)
 前回の続き、自発的な団体は「成果を第一に重視すべきか」ということに対する考え方を書きます。

*2 成果に責任を持つということを重視しすぎると、成果が見込まれなければできなくなりがちになって、活動が限定される。

私の考えでは、自発的な組織全てのミッションとして、「コミュニティの自立」が一番にくると思います。コミュニティというのは、地域もそうですが、ここでは「同じコンセプトを共有するものの集まり」という定義で使っています。

 グローバリゼーションが進行するに連れ、カネ、モノ、ヒト全てが一極へ集中しています。都市であり、大企業であり、資本であり。。

 そうした中で、人の生活が踏みにじられていく。というのが、大雑把ですが、現代の大きな構図です。

 そうした、力ではなく、人の想いを軸をおくコミュニティの自立こそが、そうした一極集中に対する、オルタナティブとして期待されます。

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 とみたとき、コミュニティが現金収入を得ることは非常に重要であり、成果を追求することは必要なことではあります。
 しかし、自発的な組織にそれを一番に求めるのはナンセンスだと思います。やはり、商売とボランティには求められるものが違います。もちろん、はっきり分けるべきでもないのですが。

 私の考えでは、こうした組織(簡単に言うとNPO)が一番力点を置くのは、前回のエントリーに載せた、メンバーの幸せです。これは、その組織のコンセプトを大事にする、ということともいえます。(ここで、そうした事業体もあり得るのはその通りで、実際これからの時代はそうした企業・NPOが増えていくと思います。しかし、商売にならないNPO、組織の方が多いでしょう)

 さて、*現金収入を得る ことを目的に考えたときに、自発的団体(以下NPOと使います)と企業の役割はどうかを考察します。

 まず、企業は生産者であるわけですが、私はNPOは「生活者」という定義するのがしっくりすると思っています。まず第一にNPOのメンバーはほとんどボランタリーに片手間で活動しています。そこには、プロと言うより、「生活者」として参加しています。

 生活者は、NPOでの活動が商売として成り立つかどうかに責任を負うことはしません。(できないです。ほとんど)それより、生活者として、生産にも消費にも両方にかかわり、どちらにも商売のような厳しさを課さない。いわば、マーケターの役です。

 ちょっとわかりにくい書き方ですね。間伐材利用を例にとって見ます。

 今、日本中の森には人工林が溢れ、その大半は間引きにあたる、間伐がなされていないことが問題になっています。行政はこれを何とかすべく、間伐材の利用促進を進めています。そのためには、新たな間伐材の需要を創る必要があります。

 が、ほとんどうまく行っていません。
 当然だと思います。公共事業に使う材料ならともかく、林務に関わる人が一生懸命考えたところで、そんな需要を生み出せるとは思えないからです。そういうことを、大企業は大きなお金と専門の人材を使って、日夜やっている。それでも、なかなかうまく行かない。それを素人が、ちょっとがんばったところで、売れるものができっこないです。
 
 ここで、NPOなりの出番だと思うのです。とにかく、木を使ってみたい人、使いそうな人に呼びかけ、そういう「場」をつくり、材を提供し(あるいはその仕入れから体験してもらい)、自由にそれで「遊んで」もらう。そこに、「生活者」がからむことが重要です。

 もしうまく行けば、まず、作った本人が使う。それで、いいなと思ったら、友人にプレゼントしたり、ちょっと活動のPRを兼ねて(儲けにはならないが)、売ってみる。
 なんてことを、楽しみながらやる。儲けがでるとか、は後回し。
 プロセス自体を楽しんでいるので、成果(例えばできた商品)があまり実用的でなくても許せわけです。

 それで、「これは行けそうだ」というのがあったら、それを商売にすればいい。それだけの組織基盤を持っているなら、そのNPOがやってもいいが、そのNPOの掲げるコンセプトを共有した事業体が本格的な商売をすればいい。
 
 おそらく、今の時代でもっとも難しく、お金儲けで重要なセクターは、マーケティングでしょう。そこを、これだけ変化の激しい時代に小さな企業が自力でやるのは、大変なことです。

 そこにNPOが入っていく。というのが、「いかに(コミュニティが自立するための)*現金収入を得るか」という切り口で見たときの、NPOの役割だと思うのです。

 したがって、そのNPOに対して、「成果を出すこと」を第一に問うことは筋違いだと考えるわけです。

 ただし、ここでも触れていますが、もし有望そうな(事業になりそうな)活動を見出したとき、
(それまでが大変だと思うのですが、、)「そのNPOの掲げるコンセプトを共有した事業体がないとき」・・
 そのNPO自らが商売をしないと、「コンセプトを追求しつつ」(これがコミュニティの存在理由)、「現金収入を得る」ということができなくなります。

 この辺は次回のテーマになってきます。

 さて。。結論。

 コミュニティの自立を目指す以上、現金収入は欲しいし、できることならそういったセクターをもてればいいが、それは「商売」であり、必ず目指すものではない。
 できればやりたいというもの。

 あくまで一番大切なのは、コンセプトを大事にすることであり、メンバーの幸せである。
商売に関しても、最も重要な役割は「生活者」として関わる部分であり、運営・流通・販売といったすでにあるものをうるための働きより、商売にならないものを発掘し、評価し、広めるところに重きを置くべき。

 というのが持論です。

(でも、これ、専門家集団のNPOはこうではないですね。
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by taiji_nakao | 2005-05-03 02:06 | 考え事
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