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2006年 01月 30日
一休さん
 今日、銀行へ、置き忘れた傘を取りに行った。

 てっきり、かさ置きにそのままになっているかと思ったが、そんなことはなかった。
中で保管してくれているようだ。受付で、かさを置き忘れた旨を伝える。
 すると、「いつのことでしょうか」と聞かれる。
 毎日、忘れ物は何かを把握して管理してくれているようだ。木曜だったので、そう言った。

 しばらくして、中から、あのビニール傘を持ってきてくれる。よかった。
しかし、どういうわけか、「お名前をよろしいですか」と聞かれる。

 誰が受け取るのかを気にしてくれているようだ。。「ナカオタイジです」と答えると、
「大変申し訳ありませんが、この傘は既に別のお客様が申し出ておられます」
と言われる。。

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 しかし、どう見ても自分の傘だし、あの日置いていったのは疑いようもない。
そこで、

「すみません、ちょっと傘を見せていただけますか?」
と言って、傘を手に取る。

そして、
 「あの、ここ(傘の取っ手の一番下)にシールがついてるんですが、ちょっとその申し出た方に、ここにシールがついてる傘だったか確認していただけますか?」

 と言う。受付嬢(といっても、おばさんだったが)は、ちょっと困った顔をした。
しかし、こちらは引く気配を見せないので、「少々お待ちください」と言って、仕方なく奥へ引っ込む。


 しばらくして、、
「ただいま確認いたしましたところ、確かに、そのようなシールが貼ってあるということです」
と言う。

 直ちに、
「それなら、この傘ではありませんね。実は、このシールはさっき貼ったのです。」
と言うなり、傘をもって、颯爽と銀行を出て行った・・

**

 と、

 「既に別の人間が申し出ている」という話を聞くなり何も言わずに引き下がった男は、自転車をこぎながら妄想した。
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by taiji_nakao | 2006-01-30 18:10 | エッセイ
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