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2006年 02月 06日
沈(ちん)
 3日~5日と四国へ。もう、書きたいこといっぱいだが、やはりまずこのことを書かずにはいられない。

 沈(ちん)

 カヌーでは転覆することをこう表現するらしい。
真冬の四万十川。行く途中、何度もインストラクターから連絡が入る。

「風が強いので転覆の可能性があります」
「転覆してもよいですか?」
「11人中、6人は転覆すると思いますよ?」

何かあればすぐ安全策に流れてしまう昨今、それでも実施してくれた四万十楽舎には、いやみ抜きで感謝である。(しかも安いし)

 ここまで来たんだ、行カヌーわけには行くまい。

 俺は転覆悔やむなしと思っていた。濡れても体拭いて、着替えりゃいい。
しかし、まさか、開始5分で終わるとは・・・・

 事前のインストラクターが説明する中にあった、「まあ、ライフジャケットにお世話になることは滅多にないですけどね」というセリフ、そして、結局11人中3人しか沈しなかったことから、カヌーではそうそう転覆することは無いようだ。一般には。。


 実は、俺自身は以前、パプアニューギニアにスタディーツアーという名の遊びに行き、村に滞在していたとき、現地のカヌーにのったとことがあった。
 というわけで、みんな初めての中、「たいじうまいやん」という声を集めていい気になっていたのである。


 沈する直前、前から、ゴー という音が聞こえてきた。強い風が来る。とわかった。
「走っていた方が安定する」という言葉が耳に残っていたので、必死にこぎ始めた。

 カヌーは意外に最初安定しない。水との接点はあまりないからで、自転車のようなもので、進んでいた方が安定する。という話だったのであり、そのときのような強い風には意味がないというより、逆効果なのであるが、必死に、そして、運の悪いことに、風を横から受ける角度に向かって漕いでいたのだ。

 そして、ついに風を受ける。揺れる。右、左、右。自分では、30秒くらいは耐えたつもりだったが、後に転覆し、えらいことになる友人の目撃情報によれば、2秒くらいの間だったらしい。

 ばさん!!! あ~あ、やっちまった。ちくしょう!!

 そのあと、いそいそとひっくり返ったカヌーをもどす。これが意外に難しい。そして、そこで重大な、そして致命的なミスに気づく。メガネがない。ぱっと探すが、もう手遅れである。。

 岸に戻ろうとするが、ほとんど進まないので、近くにあった中州に行くことにする。中州が近くにあったのは幸運だった。
 
 陸に着いて、そして時間がたつにつれ、失ったものの大きさに気づく。視力0.1未満の俺のメガネは4万くらいするのだ。。なんということ!!呆然としながら、あきらめきれずにカヌーの中を調べる。。

 「たいじ、助けてくれ!!」
そのとき、友人の悲痛の叫びが聞こえた。
川の真ん中で、もがいている。インストラクターは、先に沈んだ女の子の救出をしている。
 すぐカヌーを出して、そっちへむかう。なかなか前に進まない俺のカヌーがどのくらい役に立ったかはわからない。
 
 陸に着いたとき、彼はばさっと倒れた。箱根駅伝の、体調を崩したがなんとかゴールした選手さながらである。いつも大げさな冗談ばかりのやつなので、俺も含めそこにいたみんな本気に取っていなかった。が、そのうち、本気であることを知る。

 何せ、真冬の川の水の中に長いこといたのだから。びしょびしょの服のまま、施設に戻り、生まれて初めて、服の上からシャワーを浴びる。
 幸せ。


 カヌー楽しいよ。きっとまた来てやる。待ってろ、四万十川

 
 
 
 


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by taiji_nakao | 2006-02-06 12:31 | にっき
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