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2006年 07月 31日
大根が美味しくなるお話
ずいぶん前、たぶん小学校高学年か、中学生だったとき。家には、「お話のろうそく」というA5サイズくらいの大きさの小さな本があって、その中にはいろいろなお話があった。昔話とか、童話のようなもの。表紙には、赤とか緑とかいろんないろがあった。その中に、たった1ページで特に落ちといったものもないけれど、今でもその内容を覚えている話がある。

題も忘れてしまったが、貧しい村人のところに、泊めてくれないかと真冬に旅人がたずねてくる。村人はそれに応じるが、ふるまう食べ物が何もない。腹をすかせた旅人のために、となりの畑から大根を盗んできて、煮て食べさせた。それを、旅人はたいそう美味しそうに食べた。

その日は、しんしんと雪が降っていたので、村人が畑にとりに言ったときの足跡は雪に埋もれ分からなくなった。。
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それだけの話だ。
だが、なんとも、この大根が美味しそうであり、それ以来、いや特に、大学に来て自炊するようになって、大根の煮物を作るたびにこの話を思い出す。

そう、昨日、大根の煮物を作った、ということなんですが。。
しかし、美味しいですよね。
おでんの大根です。
よく言われるように、冷えたときに味がしみこみます。
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ヤンパオというお店が京大の近くにあって、ここにはマンガ肉・ごはん大盛りがある。マンガに出てくるような、「骨の付いたやつ」や日本昔話に出てくるご飯大盛りがある。
確かに、なんだか一度食べてみたい気がする。
まさに、物語の消費。
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ファイナルファンタジー12(おそらく)が発売されたとき、コンビニにゲームに出てくるアイテムに即したグッズが売られていた。HPが回復する、「ポーション」とか。
おお~、ここまで来てしまったか、と思った。バーチャルとリアルが混ざっていく。
そこに、不安を感じるのは私だけではなかったろうと思う。
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でも、考えてみると、商品に情報をつけて売る、というのは今盛んに行われている。というより、成熟した市場ではそうしないと売れない。

こないだ、コカコーラの販売代理店で働いている人が、特にお茶などは、テレビのCM放映時間と売れる量は、驚くほど一致すると話していた。
なんだか、CMが麻薬のようだ。続けなければ、売れなくなる。
そして、一度下がり始めると、二度と戻ることはないという。
さらに、そのサイクルはどんどん短くなっていく。
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国産材を売るというのは、今のところ、この「物語を売る」の最たるものだと思う。
(今のところ、というのは多くの場合、それより安い新建材や外材が存在するから)

森を育てた人がいること、それを技術を持って加工し、家を建てる職人がいること。
その家づくりに、参加してみませんか?

というのが、売りの一つであることは間違いない。
(それだけでは困るのですが)

物語を売る、買う、というのは悪くないと思う。
それは、きっと生活を豊かにする。

そこでイメージされた物語が、リアルに起こっているならば。

あるいは、そこでイメージされた物語が、リアルに起こっていると信じている限り?
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by taiji_nakao | 2006-07-31 17:15 | エッセイ
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