2005年 02月 12日
今所属してる団体はウェブサイトを作り直している。
贅沢にもデザイナーに委託しているのだが、そのデザイナーさんと打ち合わせをしていたときのこと。 「ウェブを見てる人が、関係者にメールを送りたいって時クリックするタグに載せる文字は、「お問い合わせ」か「contact」、どっちいいか?」 どっちでもいい気もする。 しかし、こういうときには 「日本語にある言葉を使わずに、英語(もしくはカタカナ語)をつかうのは馬鹿げている」 という、やや感情的にもなる意見がでてくる。 その感情的な部分も含め、私も全面的に賛成である。 ヨーロッパイコールカッコイイという時代はもう終わったでしょ。 しかし、こう主張する人は、ここには条件がつくことを忘れがちである。 カタカナ語にかわって、自分の表現したいこと(コピーの重要性 の終わりの方参考)を的確に表す日本語があればいい。 が、無い場合はより自分の伝えたいことを表しているカタカナ語を使うほうが表現者としては一歩上だろう。 ** 「お問い合わせ」と「contact」の場合はどうだろうか? 「お問い合わせ」という言葉から連想されるのは、 **サービスを受ける人が、企業や役所に対して何かわからないことを尋ねる というイメージ *このサービスを受ける人は、このサービスを受けることはすでに決めている というイメージ *この企業・役所の提供するサービス(あるいは商品)は、日常のありふれたもの というイメージ *わからないことというのは、事務的なこと(例えば、役場までのアクセスなど) というイメージ 「contact」という言葉から連想されるのは、 **ある人が、誰かまたはある団体と何らかのつながりを持つことを求め、行動する というイメージ *この人は、接触したいという強い意思を持っている というイメージ *この、誰かまたはある団体はこの人にとって強い興味や魅力があるもの というイメージ ここで、ではウェブサイトにある「(このどっちか)」のタグをクリックするとは、どういうことなのか?(あるいはどういうことになって欲しいのか?)を考えてみます。 おそらく、 □1.団体に関心があるが、その関心を十分に満たす情報がないので、もっと情報を求める のか、 □2.団体とつながりを持ちたいと思う のであって、 □今、(メールを送るという)アクションする気でいる からこそ、「(どっちか)」のタグをクリックする。 こういう書き方をすれば、「contact」優勢が明らかであるが、 この上の状況は本当に「contact」の意味に合うか、検証してみます。 □1.団体に関心があるが、その関心を十分に満たす情報がないので、もっと情報を求める もう少し、具体的に書くと、例えば、 「~ではこんなイベントをしていますが、どうでしたか?」という、同業者からの質問や、 「~のプロジェクトでは、~をしてるみたいですが、~のことはどう考えますか?」という、どんな考えを持っているかを問うことなどだろう。 この場合、必ずしも「つながりたい」と意識しているとは限らないが、強い興味や関心があることは間違いない。 それに、メールというのは送った時点でアドレスを相手に知らせることになり、返信もあるわけで、「つながり持つ」ことにはなっている。 □2.団体とつながりを持ちたいと思う 明らか。 □今、(メールを送るという)アクションする気でいる 後から電話ではなく、今アクションというのは、やはりそれだけ、「聞きたい。接触したい」という強い意志の表れと言えそうです。 また、僕らの団体は日常的なサービスを提供しているわけでもない。 ということから、 「お問い合わせ」ではなく、「contact」にすべきだ、 とまあ、思うのですが、、 あの時は、「どっちでもいいよね」って話で、 ** 「デザイナーさん、どう思います?」 「僕は、どっちでもありだと思います。デザイン的にもどちらでも問題ないと思います。それはみなさんが決めることです。」 「でも、どっちでもいいですよね・・」 「・・・・・」 「では、(小さな声で)お問い合わせにしましょう」 ** って、決まったことだから、こんな理屈また並べられて蒸し返したら、みんな閉口するよな。 理解される前に反発され、雰囲気を壊すだけだ。 そのリスクを負うほど、そんなに重要なことでもない。 ** ただ、「お問い合わせ」がいいと言っていた人が、 別の場面で、「contact」という単語を無意識に使っていた。 やっぱり両者は別物で、(特にネット慣れした)若者には「contact」がしっくりくるのだ。 と、思う。
by taiji_nakao
| 2005-02-12 22:26
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