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2013年 01月 20日
映像を作るワークショップに参加して
昨日、ショートムービーを撮る、短歌をまず作って、その短歌をタイトルにしたショートムービーを撮る、というユニークなワークショップに参加した。

(短歌制作の部分もとても刺激的だったけど、今回は省略)私たちのチームは「しりとりをしていて声が小さくしていって、距離も縮めていく」という趣旨の短歌で映像を作ることになった。いろいろ考えて、「レズビアンである一人が仲の良い親友にその気持ちを伝えようとするが、最後に踏みとどまる」というテーマに決まった。

設定上、私はカメラ担当になった。

とりあえず屋上に出て、「好意を抱いている方が引っ越しの物件を見に来ていて、そこで一緒に住まないかという形で想いを伝えようとする」という設定でやってみるが、これが、難しい。で、あれこれ、みんなで、うーん、っとなっていた。そこで映画監督である講師の方が来られて、まずやってみたら、とアドバイス。

で、やってみて、とりあえず、会話をしてみる。広い家だったね〜 リノベーションしようと思ってる 手伝ってくれる?

で、途中からしりとりに行くわけなのですが、これがどういけばいいのかわらず、そのままフェードアウト。

講師からは、前置きが長いねなどいくつかコメントを頂く。その後、私がどう思ったか聞かれる。

3人のチームだったので、全体を見るのはカメラ担当のみで、成り行きで演出担当(と呼ぶのが正しいか自信はない)に近いものにもなる、ということをその時に知る。

といわれても、う〜ん、となってしまって。最後はどうなるのか決まっているのかと聞かれて、踏みとどまる所以外は、実はまだ決まっていない。と、メンバーの一人が答える。そのときはこれで出来るのか不安だった。

でも、とりあえずやってみることが重要と言葉を思い出し、進めているうちに、私はリズムに乗っていった。

まず、やってみる。それで不自然なところを見つけて、それについて2人に伝えて、みんなでどうしたらいいか考える。

とりあえずの結論を出して、再度やってみる。その繰り返し。

「人を機械のように扱っている」という誤解を恐れずにいうと、これはアジャイルと呼ばれるプログラム開発の手法そのままであり、私は「ではやってみましょう。よーい、スタート」と言うときは、(いつもウェブアプリを開発しているので)、ブラウザに画面を切り替えてF5キー(再読み込み)を押して、今作った箇所を動かしてみている時の心境そのものだった。

それで不自然なところを見つけて、止めて、どうやって解決するか考える。

まずは自分で結論を出して進めるしかないが、ある程度の段階、あるいは自分で結論を出せなくなったときにみなで会議する。

その時の会議に「この画面のレイアウトの不自然さ(例えば、ボタンの位置が分かりにくいなど)を解消するにはどのような仕様にするばよいのか」を議論するのと、映像を作っている時にみんなで、「不自然さをなくすためには、どのようなセリフ/動作であれば自然か」を議論するのがすごく似ていたから、もう、とても慣れた作業だった。

そうやって進めているときに、メンバーの一人は演劇の経験者だったのだけど、私に演劇とかやってたことあるんですか、凄く指摘が的確です、っていわれて、とても嬉しかった。

ただ、思い当たることはあった。私は、「あらゆる人の気持ちを先入観や偏見なく共感したい」ということを人生の大きなテーマにしている。これはカウンセラーの心得であり、一時期本気でカウンセラーになりたいと考えていた時期もある。

だから、この人はどういう感じ方/考え方をしているのだろうってことをいつも理解しようとしてきた。そして、映像のシーンで「この人物はこのような言動を取ることがふさわしいか」と考える上で最も重要な視点になる。

そしてもう一つは、営業資料を作ってきた経験。例えばウェブサイトのデザインを決める会議では「初めて見た人に伝わるか」ということが常に問われる。提供側は四六時中関わっているから何もかも知ってしまっているが、お客様は基本はふらりとやってきた、知識も関心レベルもどの程度あるかわからない存在だ。だからこそ、意識していつも「これで初めての人に伝わるか」ということを議論している。

映像にする場面を見つめるときも、まさにこの営業資料作成会議の時の気持ちでいて、
「これで本当に伝わるか。」と考えていた。

この2つの要素を日々意識していることが、実は映像を撮影するときに非常に役に立った模様。

そして、これもプログラム開発にも通じるのだけど、生の経験があるかということがとても大事。
(撮影とプログラム開発に関しては、かなり共通点があるので、これは別にまとめる予定)

例えば、「一緒に住まない?」としつこく迫った後に、気まずさをごまかすために、誘う側は一緒に住むことのメリットを並べるのだが、私にはシェアハウスに住んでいる知り合いがたくさんいて、彼らがそのメリットとして、「一緒に食事をする人がいることのありがたさ」を語るのを散々聞いているので、やはり、食事については触れてもらう方がよいだろう、とか。

こうやって、僅か3分程度の映像を撮るために、2時間くらい散々考え抜いたので、すっかり映像を見る感覚が変わった。

その後、講師が制作した映画を観たのだけれど、一つ一つ、例えば、2人の男女の座ったときの距離とか、そういうところに目がいくようになった。

他にもたくさんの発見があったのだけれど、昨日のワークショップは本当に気づきが多かった。
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by taiji_nakao | 2013-01-20 09:55 | 参加したイベント