2006年 03月 18日
コピーライターのすること
クライアントが、どんなどんな商品を、どうやって売ろうとしているのかをまず、調べる。 資料であったり、人に聞いたり、商品を見たり。 そうやって、背景にある文脈、クライアントの意向を汲み取った上で、それらを的確に表す、端的なコトバ、フレーズを探し出す。 * * 話を聞くときでは、聞かれる人は、どんどん話す。人が話すとき、それは大抵、あっちこっちへ飛ぶ。だからこそ楽しかったりする。 いってみれば、本をぱらぱらめくって、とまったページを読み、またぱらぱらめくり、という具合である。 うまく聞くためには、それをまとめていく必要ある。 一つのくくりとして、理解しないと文章にならないし、自分がどこまで理解しているかを伝えないと、相手もどこをしゃべったらいいかわからない。 会話の中でのひとくくりは、言ってみれば、本における小見出し一つ分である。 そのかわり、そこには小見出しはない。 小見出しをつけるのは、聞き手だ。 話をきいて、最後に「~ということですね」というわけ。 それが、的確で本質的であるほど、相手は納得する。 * * こないだ、杉良で山主さんと打ち合わせに行った時、山主さんの一人が、 「作業中の事故も怖いが、移動中の事故もこわい。それは、作業地までの移動もそうだし、雲ヶ畑にくるまで、帰るまでも。一回でも事故が起こったらえらいことだ」 といった話をしていた、そこで私は、 「家に帰るまでが杉良」 と言った。これは、けっこううまいこと言えた場面。 もちろん、「家に帰るまでが遠足」のもじり。 相手が伝えたいことの本質を汲み取り(えてして、言いたいことを的確にはいえないもの)、的確な言葉に要約して、あるいは比喩を使って、「~ということですよね」と返せば、相手は理解されていると安心するし、あるいは自分の言いたいことがまとまってすっきりする。 そして、そうやって整理していく中で、聞きたいところを一緒に探って行ける。 インタビューとは、おおきなテキストにランダムに重なっている文章を少しずつ引き出してはまとめ、まとめていは、それをお互いに確認し、その中からできてたものも含め、興味深いトピックについて、引き出して、整理し、確認する。の繰り返しだと思う。 整理・確認は、まさにコピーをつくる作業だ。 コピーの場合、字として残り、あるいは、デザインとして残るので、クオリティが何より大事で、それゆえ、コピーを考える時間は苦痛である。 一方、聞くときは、場の空気を読むのが大事で、何より瞬発力、そしてタイミングが大事。 ただ、会話だといろいろな場面もある。(これについては、次のエントリーで)
by taiji_nakao
| 2006-03-18 18:19
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