2005年 02月 28日
これは昨日、話していて盛り上がったテーマ。
なかなか面白いが、答えは難しい。 このことを考えて、さっき自分の中で発見だったのが、 「必然性はないことは間違いない」ということ。 だって、横書きのアルファベットが存在しているのだから。 というわけで、書くという文化が始まった時の何らかの、(書くという行為からの必然性ではなくて) ヨーロッパとは違った、中国・日本の偶然的な事情があった、っていうことがポイントでしょうね。 進化論はよく、「今の生態系は、現在の環境にもっともあうように適応している」 と誤解されますが、実際は、「確かに、うまい具合に(それが美しいほどに)適応しているが、今の形であることは、偶然によるところが大きい」ということ、の応用です 外来種問題を考えるとわかりやすい。もし、「今の環境に最適化」しているなら、外来種の入り込む余地はないはずです。 同じく、明治以降、横書き文化が入ってきて、今なお生育域を広げていることがその証拠です。まあ、政治政府は西欧文化を無理やり入れたところがありますから、その逆を考えて、今もなお、縦書きが残っていることがその証拠となるでしょう。 (このことについては、最後に書きます) ** 脇にそれたので元に戻します。 では、日本(以下は中国も含み、日本と呼ぶ。ここの議論はけっこう適当でしたので、その辺は今回のエントリーにも反映させます) で、縦書きになった事情とはなんでしょう? これは、けっこう難しいです。というのは、上下と左右は対称だからです。 つまり、「~なのだから縦書きになったのだ」と、誰かがそれらしいことを発言したら、 「それって、別に横にしても同じじゃない?」と言ってみよう。 沈黙します。 そうなのです。(だからこそ、ヨーロッパは横書きなのだ、きっと) 例えば、 「昔は木に文字を書いていた。板には年輪があって、板の長辺方向に平行な線がある。ここで、横書きだと線(凹凸)に抵抗があるので、かきにくい」 という意見が出たとき、なんとなく同意したくなりました。 (のは僕だけ?) でも、それって、横にしても同じじゃない? っていうの、そのまま当てはまります。 諸説が出てきましたが、有力説が見つからなかったとして、昨日は終わりました。 しかし、そこで出てきた3つの説は注目に値すると思っています。 *1 板の看板は縦長の方が作りやすい説 昔もけっこう、お触書のようなものがあったとしましょう。 (今考えると、これは怪しい。というのは、文字を使えるのは当初は一部の知識階級のみであったはずだから・・は、おいといて)、 すると、地面にさすのはやっぱり縦ですね。横にするには、さす用の木と、書く用の木が必要だから。 *2 巻物が決め手説 これは自信を持って推す仮説です。(いいだっしっぺ) 巻物を考えると、縦書きだと、巻物を構成する(一辺がとってもながい)長方形の紙は、横長になる。のに対して、横書きだと、その長方形は縦長になる。 (この辺は、巻物をイメージしてみてください) すると、縦長だと、体が邪魔になるわけです。 そら。 この仮説の傍証として、「アルファベット圏」には巻物がないことが必要ですが。 でも、自分でつっこむと、 「先に縦書き文化があったから、今の巻物の形式ができた」 可能性はぬぐえず、(原因と結果、卵と鶏) これを証明するのは困難そうです。 最後に。 * 初期の天才的な知識人は偶然、縦書きだった説 ブッタのような、後世に名を残すくらい大きな人物で、しかも書くという行為を広めた天才が、もしかしたら、偶然縦書きをしていたのが理由かもしれない。 そうしたら、弟子たちはそりゃあ、「~大先生」の書くことまねして、それを横に書こうなんて、ひん曲がったやつはいなかった(あるいはいられなかった)。 というより、おそらくそこまで考えられる人はわずかで、彼らは例外なく、大先生に心酔していたとすれば、、、、 おお~、この仮説は有力。 しかし、これは、最初に設定した問いの答えではない。 ** というわけで、書くという文化が始まった時の何らかの、(書くという行為からの必然性ではなくて)ヨーロッパとは違った、中国・日本の偶然的な事情があった、っていうことがポイント ** これに応えるためには、名も知らぬ天才の趣向を考えないといけない。 最初の文字を書く。 彼のペンはしかし、次に、右(もしくは左)へ行かなかった。 下へ行ったのだ。 なぜか? 難問である。 ・・・ 舞台は中国でしょうね。中国といったら、高い山。 きっと、この天才も修行をしていて、山の中にいた。 そこは、斜めだった。だから、重力の法則によって、ペンは下へ・・ ・・くだらないので、この辺にします。 これが仮説3. 結局わからないということなんですが。 だれか、知らないでしょうか? でも、比較文化学とかで研究されたりしてないのかな? **** 最後に、今日本で縦書きと横書きが棲み分けをしていることについて。 この話とは別に、縦書きと横書きで、 「縦に書いていくと時間列で理解できるからいい」 という話があった。 これはなんとなくうなずけます。(のは僕だけ?) そして、今の縦書きと横書きの性質を見るに、 小説はやっぱり縦。 横だと論文。 っていう気がします。 これは、論文は西洋から来て、西洋が横だったからなのかもしれません。 またもや、原因と結果の話ですが、ともかくここで言いたいことは、 小説は縦であって欲しいような気がする。 ということです。 全くのフィーリングで、それすらまとまってない話でした。
by taiji_nakao
| 2005-02-28 00:32
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